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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『読書の腕前』/岡崎武志

書評家による、読書についてのエッセイ。なんか読書のモチベーションが下がってきてるなー、ってときには、こういう、本についての本、読むことについての本を読むのがいい。巻末には、著者の選んだおすすめ本も載っていたりして、読書欲が刺激される一冊。 …

『once ダブリンの街角で』

吉祥寺バウスシアターにて。ちょーいい映画だった!こういうのだいすき!!音楽ものの映画がすきな人は、ぜひ見たらいいんじゃないかとおもう。ダブリンの街角で、ストリートミュージシャンの男と、移民の女が出会う。何の接点もなかった2人だが、音楽を通じ…

『ペット・サウンズ』/ジム・フジーリ

ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』について、とにかく愛情たっぷりに語っている一冊。エッセイと評論の中間をいくような作風で、アルバムの魅力を、というか、アルバムに対する著者のおもい入れを存分に描き出している。俺も『ペット・サウンズ』のCD…

『ナンバー9ドリーム』/デイヴィッド・ミッチェル

500ページ以上ある大作だけど、ページ数以上にボリューム感のある小説だった!物語の舞台は日本で、まだ見ぬ父親を探しに、屋久島から東京にやって来た少年が主人公。“父親探し”がストーリーの軸になってはいるのだけど、夢だか現実だかよくわからないような…

鮪のこと(その2)

最近、夜眠れなくて困っている。昨日なんかも目が冴えまくってぜんぜん眠れなくて、結局徹夜のまま面接受けることになっちゃったし。今日も眠れないまま朝を迎えようとしているので(いま寝たらぜったい授業に出れない…)、俺がかてきょをやっている小6男子…

鮪のこと

何度かここに書いているH(中1・♂)の他に、俺はいまもうひとりの子のかてきょもやっている。この春から小6になった彼のことを、ここでは鮪と呼ぼうとおもう。なぜ鮪なのか?きわめてシンプルなその答えは、彼のすきなものが鮪だからだ、という一点に尽きる…

『ポスト・オフィス』/チャールズ・ブコウスキー

ブコウスキーの長編。ひたすら過酷なうえに退屈すぎる公務員の仕事と、酔っぱらいの日々がだらだらと描かれている。内容はだらだらなんだけど語り口は軽快で、テンポよく読み進めていける。ブコウスキーの小説って、なんかもう全部同じだよなー、って改めて…

『母なる夜』/カート・ヴォネガット・ジュニア

第二次大戦中、ドイツでプロパガンダ放送に従事していたアメリカ人の男の物語。彼はナチであると同時にアメリカのスパイでもあって、放送によって本国に情報を送り出してもいた。戦後、男はドイツにもアメリカにも居場所を失い、ニューヨークのグレニッチヴ…

『タイタンの妖女』/カート・ヴォネガット・ジュニア

これはすばらしい小説だった!!物語はかなりスラップスティックな感じで、むちゃくちゃな状況にひたすら翻弄されつづける人間の姿が皮肉っぽく描かれている。ただ、ヴォネガットはそれをくだらない、って言うんじゃなく、愛情を込めた視線で見つめているか…

無気力にとりつかれて

昨日あたりから、すっかり無気力にとりつかれてしまっている。自分の中身がからっぽのような、重力に抵抗する気力も出ないような、どうにも力の入らない感じ。とにかく億劫。おまけに、さっき気がついたんだけど、今日はほとんど人と喋ってもいないのだった…

小説を読むこと

小説を読むときって、その小説のなかに入っていくような感覚がある、とおもう。俺のなかでは、もしかしたら昔に本か何かで読んだのかもしれないのだけど、「海のなかに潜っていく」ようなイメージがある。小説っていう海のなかに潜っていくためには、勢いや…

『愛人(ラマン)』/マルグリット・デュラス

記憶についての、そしてイマージュについての小説。これだけ繊細で微妙な、しかも派手さのない作品が、フランスでは150万部のベストセラーになったっていうのはちょっと驚きだ。マルグリット・デュラスは、自身の少女時代、仏領インドシナでの中国人青年との…