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本、映画、音楽の感想/レビューなど。

『勝間式 超コントロール思考』/勝間和代

仕事のみにとどまらず、人生全般(お金、健康、家事、人間関係、遊び)について、超コントロール思考であれ、と説いている一冊。もちろん、人間は他人や世界を操作できるわけではないので、自分自身の思考やふるまい、所属や環境、誰と付き合うか、といった…

『ミニマリズム 30歳からはじめるミニマル・ライフ』/ジョシュア・フィールズ・ミルバーン、ライアン・ニコデマス

「ザ・ミニマリスツ」と名乗る、アメリカ人ふたりのユニットによるミニマリズム本。ビジネスマンとして成功し、物質的にもかなり豊かな生活を送っていた彼らが20代後半にしてミニマリズムに目覚めたきっかけや、いざミニマルな生活をはじめようとする際、ど…

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』/佐々木典士

断捨離とかミニマリストとかの本はいままでに何冊か読んだことがあったけれど、この本が俺にはいちばん効いた。効いたというのは、具体的にモノを減らすための行動を始められた、ということだ。ウチには2m超えの本棚が3つもあるくらいなので、どれだけミニマ…

『仕事は楽しいかね?』/デイル・ドーテン

「頭がいい人がするいちばん愚かな質問は、『あなたは5年後、どんな地位についていたいですか?』だ」という、自己啓発系ビジネス本。一般的に、「1年後、5年後といった長期的な目標設定をする」、「生きる姿勢を変え、ビジョンを持ち、それに向かって計画的…

『ポリス』

ずいぶん以前に、早稲田松竹にて。(以前の邦題は、『ソフィー・マルソーの刑事物語』。)『ヴァン・ゴッホ』とよく似ているところは、登場人物たちが何をかんがえているのかはっきりとはわからない、というところだろう。愛を知らない孤独な男女が、その孤…

『ヴァン・ゴッホ』

ずいぶん以前に、早稲田松竹にて。こんなに素晴らしい作品のことをいままでまったく知らなかったとは…!っておもってしまうほど、深い情感を描き出した、美しい映画だった。ぼわっとした光と影、気怠い空気感のなかで、ファン・ゴッホの晩年、オーヴェル=シ…

『ノーザン・ソウル』

新宿シネマカリテにて。70年代イングランド北部で発生したニッチなポップカルチャーのムーブメント、「ノーザン・ソウル」のシーンを舞台にした作品。いわゆるワーキングクラスの青年が、ノーザン・ソウルの音楽とダンスに没頭することで10代の鬱屈を生き延…

『センスメイキング 本当に重要なものを見極める力』/クリスチャン・マスビアウ

今日、ビジネスの世界でもっとも重要視されているのはSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)やビッグデータ、アルゴリズム思考といった、いわゆる理系の知識だと言えるだろう。現代はデータ至上主義の時代だ、と言ってもいいかもしれない。…

『ギルティ』

新宿武蔵野館にて。デンマーク映画。警官のアスガーは、ある事件がきっかけで現場を退くこととなり、緊急通報室のオペレータとして、事故現場に警官を派遣するだとか急病人の緊急搬送を手配するだとかいった、細々した事件に応対する日々を過ごしていた。だ…

『センスは知識からはじまる』/水野学

よく、芸術的なセンスがある、ファッションのセンスがいい、仕事のセンスが優れている、などといった言い方で、「センス」というものが取り沙汰される。大抵の場合、それらの発言には、センスの問題では仕方ない、それは生来のものだから、感覚的なものだか…

『読書術』/加藤周一

加藤周一による読書術本。50年ほど前に書かれた本だが、古びていないどころか、最近乱立気味のこの手の本のなかでも、これよりまとまっていたり独創的だったりする本はほとんどないだろう、という印象だった。速く/遅く読む方法、本の選び方、本を読まない方…

「狂人日記」/ニコライ・ワシーリエヴィチ・ゴーゴリ

「狂人日記」は、九等官の中年男、ポプリーシチンという人物の日記という体裁をとっている。一人称の語りのみで、全編が構成されているのだ。ポプリーシチンは、ゴーゴリ作品の主人公らしく、自分(の社会的地位)に自信がないために、卑屈な態度と尊大な態…

『頭のよさはノートで決まる』/齋藤孝

頭がよくなりたければノートを書け!と煽りまくる齋藤のノート術本。俺自身、昔からノートやら手帳やらを大量に使ってきたノート大好きマンであるので、なかなかたのしく読めた。齋藤の主張は、「いつでもノートを持ち歩くこと」、「何か物事について思考し…

『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』/松尾豊

「人工知能」という用語は一般に広く用いられているけれど、現時点では、人間の知能の原理を解明し、それを工学的に実現する、というような意味での人工知能は、まだどこにも存在していない。昨今の製品やサービスでよく言われている「人工知能」というのは…

『夜間飛行』/アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

訳者の二木麻里は、「解説」中で、サン=テグジュペリの資質を指して、「無言の領域で豊かに語る、本質的に寡黙な詩人」と述べているが、本作でも、まさにその寡黙さが全編を覆い尽くしていると言っていいだろう。リヴィエールをはじめとする登場人物たちは、…